クロスバイクのバーハンドルのカット(切断)

カット前のハンドル幅
クロスバイクを購入してまずやることといえば、バーハンドルを短くすること。完成車の場合、体の大きな人に合わせて長いハンドルバーが装着されていることが多く、ベストなポジションを得るためにはこれを短くする必要があります。

というわけで、早速その手順です。

用意するもの

まずはこの3つを揃えましょう。

パイプカッターハンドルをカットするのでパイプカッターは必需品。写真のコレはダイソーで税込み420円でした。

ヤスリハンドルバーを切断したあとの断面を整えるのにヤスリを使います。これもダイソーで税込み105円。

パーツクリーナーグリップを抜き差しするのにパーツクリーナーを使います。「パーツクリーナー」という商品名で多くのメーカーから発売されていますが、本来の目的で使うわけではないので安いものでよいでしょう。これはエーゼットというメーカーのもので、ホームセンターで300円くらい。

その他、シフトレバーやブレーキレバーの位置を動かすためのアーレンキー(6角レンチ)やプラスのドライバーも必要です。

どれくらいカットするのか?

メンテナンス本や自転車系ウェブサイトを見ると、よく「自分の肩幅プラス○cm」とか書いてありますね。が、ここで問題が。そういえば自分の肩幅って何cmだっけ?よんじゅう……?

……と、ふと目に付いたGIANTのカタログ。フラットバーロードであるFCRのスペック表を見ると、ハンドルバーは54cmとあります。あーこのくらいの長さでいいのか。や、ちょっとまてよ。これだってカットすることが前提の長さだよな。じゃあ50cmくらいでいいか。

というわけで50cmにカットすることに決定です。…でもこれはさすがに短すぎました。詳しくはのちほど。

作業開始、グリップの取り外し

ブレーキ・シフトレバーを移動
さて、ハンドルの出来上がり幅を決めたら早速作業開始です。まずはグリップを外します。ハンドルバーのカットと同時にグリップも取り替えるのならば、手っ取り早くカッターでグリップを切ってしまいましょう。

グリップを再利用する場合は、パーツクリーナーを使って取り外します。シフトレバーやブレーキレバーをハンドルの内側にずらし(写真上)、グリップの隙間にパーツクリーナーを吹き入れます(写真下)。ドライバーなどで隙間を作ってもよいですが、写真のように塗装されているハンドルバーの場合は、竹串などを利用してキズを付けないようにするとよいでしょう。

グリップの取り外し
パーツクリーナーではなく、KURE 5-56のような潤滑剤でもグリップを抜くことができるかもしれませんが、5-56はゴムによくないですし、揮発性が高くないのであとに残ります。その点パーツクリーナーはゴムへの影響も少なく、数秒で揮発するのでグリップを外す用途にはうってつけです。

パーツクリーナーを吹き入れたら、気合を入れてグリップを抜きます。気合を入れても抜けない場合は、奇声をあげると抜けることがあります。

ハンドルの切断

カット中2
グリップを抜いたらパイプカッターでハンドルを切断します。パッケージ裏の説明どおりに、ネジを締めては回転させ、を繰り返せばそのうちにポッキリ切断できます。

ゆっくり切るのか、手早く切るのか?

私はこの工具を使うのが初めてだったので、一回目はかなり慎重に作業しました。ちょっとずつ締めては回転させちょっとずつ締めては回転させ、たぶん100回くらいは繰り返したかな?"切る"というよりは、パイプカッターの刃で少しずつ溝を深くしていくイメージ。

で、2回目はグイグイグイグイ締めて20回転くらい。パイプカッターを回転させているときにも、切れている感じがしっかり伝わってきました。

さてその結果「グイグイ締めていって手早く切ったほうがよい」という結論が出ました。時間的にはもちろん、グイグイ切ったほうがハンドルバーの断面がキレイです。スパーンと切れている感じ。一方、ゆっくり切ったほうはヤスリで整えてやる必要があるくらいバリが出ています。

そんなわけで、パイプカッターでハンドルバーを切断する場合はグイグイ締めこんでいきましょう。

切断面の面取り

カット完了
上でも書いているとおり、切断面が荒れている場合はヤスリで整えます。切断前のハンドルの端のように面取りしてあげましょう。バリが出ていると、あとでグリップを付けるときに苦労します。(写真はカットした直後のもの)

グリップの取り付け

グリップ装着
グリップの取り付けにもパーツクリーナーを使います。グリップ内にパーツクリーナーをたっぷりと吹きつけ、エイヤッとハンドルに差し込みます。差し込んだら間髪入れず、グリップのねじれを直したり、写真のようにロゴが入ってる場合は角度を調整しましょう。

ここまでの作業を左右ともに行ないます。

シフトレバー・ブレーキレバーの固定

カット後のハンドル幅
ゆるめておいたシフトレバーとブレーキレバーを固定して作業は完了です。

写真は出来上がり50cmジャストのハンドルバーですがどうでしょうか?一番上のカット前の写真と比べて見てください。……ちょっと短くしすぎたようですorz ライトとかつける場所あるのかなコレ?少なくともベルとライトとサイクルコンピューター、3つ同時にはハンドルバーにつけられそうにないかも。

一般的な身長・体系の成人男子なら、たぶん54cmあたりが適正な長さなんじゃないかと思います。

でもなんだか攻撃的でいい感じですね。乗ってみた感想はコンパクトになったポジションのおかげで、最高速度が3km/hほど上がった雰囲気です。サイクルコンピューター付いてないので、正確なことは分かりませんが。

というわけで、クロスバイクを購入した皆さんも試してみてください。

チューブカッター TC-1000(本体)
アルミニウムや銅などのパイプを切断できるスグレモノ。自転車用のアルミハンドルであれば、このパイプカッターで十分です。また鉄やステンレスなどの硬い金属も、ローラー状の替え刃を取り付けることで切断可能に。使い方はとても簡単。パイプをくわえさせたら本体を1〜2回転させ、ネジを締めこむ。この繰り返しで、自転車のハンドルバー程度なら簡単にカットできます。電動工具のような騒音は全くないので、深夜の室内で作業しても近所迷惑になりません。100円ショップのもの比べると価格が高いですが、この工具を使う場面は今後も出てくるハズ。よいものを選んでおけば長く使えると思います。