ブレイクスルー

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久しぶりの日記。今回は転職の報告ではない。ちなみにいまの勤務先は、転職回数の多いオレ史上で2番目に長い在籍期間。自分でもビックリする。転職して2年間くらいは「うわー、もうダメだー」なんて思っていたのに。

大事なのは、いまの勤務先をそこそこ居心地がイイと感じていること。前回の日記と変わらず総務部で、広報と"厄介な業務"を担当している。広報はそのままPR業務だが、厄介な業務とは?

オレの言う厄介な業務というのは

  • 携わる期間が長い
  • 責任が重い
  • 誰もやったことがない

ような仕事。参加者が500名を超える社内イベントや、毎年冬にやっているアレ、工場の一角に喫煙所を作るなんてこともやった。忘れられない厄介な業務として2021年の職域接種がある。

この前年の2020年の1月。始まりは横浜港のダイモンド・プリンセス号だった。それ以来、日本はもとより世界中がパンデミックに陥った。遠くの街の感染者第一号の女性が自殺したという噂になったり、隣町の信金が深夜にガラスを割られるなんてこともあった。

弊社も出張ができなくなったり、テーブルに飛沫飛散防止スクリーンを設置したり、「私用で県外へ出ないように」なんて通達が出たくらい。いま思うと大混乱だった。「コロナのせいで仕事増えたなー」って感じたのを憶えている。

その翌年の2021年。弊社で職域接種を行うことになった。市町村から接種券が配布されるみたい、くらいの時期。その接種券があっても実際に接種できるのは遥か先、くらいのタイミング。

当初は、社長から総務部の部長に指示されたはずなのだけど、気がついたらオレが責任者みたいになってた。あの人ホント上手いな。

オレにとってはもちろん、会社にとっても初めての試み。「職域接種」自体がまだ一般的ではなく、参考にできる事例がない。誰もアドバイスをくれない。手探りで進んでいく。

初回のワクチン接種は2回で1セット。接種希望者数は従業員やその家族で1,300名。のべ2,600名を6回の日程で接種することにした。ちなみに、WordPressプラグインを使って予約システムを作った。コレは我ながらよくできたと思う。

当時は国内に入ってくるワクチン数が少なくて、接種日に本当にワクチンが届くのか不安だった。ディープフリーザーの電源が抜けてワクチンが◯千人分ムダになったという報道にも戦慄を覚えた。接種日の2週間前に受け取ったワクチンを毎日見に行った。このワクチンを待っている人がたくさんいる。期待を裏切ってはならない。

第一日程の当日。接種希望者は受付で接種券と予診票の確認を受け、2階の食堂へ上がり、医師の問診を受け、看護師に接種をしてもらう。3時間で500名。接種希望者同士が対面ですれ違わないように動線も工夫した。接種会場で感染拡大したらシャレにならない。

誘導の際にリラックスした雰囲気で声がけをした。全員が初めての接種。みんなも不安だったと思うが、オレも不安だった。未知のウイルスと初めて打つワクチン。初めての業務。

この日、3時間の接種業務をトラブルなく終えることができたが、体は異常なくらいに疲れていた。家へ帰るために車に乗り込んでから気が付いた。

第一日程が7/24(土)で、最終日程が9/12(土)。準備も含めると数ヶ月間の業務となった。自分としても、会社の評価としても成功だった(のちに社内で表彰された)。もちろんオレ一人でやり遂げたわけではないが、オレじゃなきゃ実現できなかったことも少なくなかったはず。

この業務以来、仕事に対する考え方が変わった。過程じゃなく結果。目的のためなら手段を選ばず。会社にとって初の業務というのも、自分にとって都合がよかった。誰かのトレースじゃなく、自分で考えて自分で決める。

この業務がオレにとってのブレイクスルー(打破)になった。要領が悪いオレでも、考えて考えて考え抜くことで上手くやれるという自信に繋がった。ひとつひとつの業務の意味を考え、成功させることが目標になった。

いま、仕事に対する意欲がイマイチという人には、会社初の業務を自分主体で進めることをオススメしたい。たとえば従業員の家族を対象とした会社見学とか。複数の日程で行うのなら、見学者にアンケートを書いてもらって、それを次回へフィードバックするのもいいと思う。たぶん、その業務は毎年やることになる。

会社初の業務の責任者なんて不安かもしれないが、誰だってその立場になったら不安になるんじゃないかな。複数回やることは決まってるし、回を重ねるごとにスムーズな運営にできる。

オレは少し上のほうで、手を伸ばせば届く場所で待ってるよ。そんじゃ!