長いお別れ

しばらくのあいだ、家族と離れて暮らすことになりました。奥さんと娘のshuuは実家のある岩手県で、私は自宅で一人で生活します。あらかじめ言っておきますが離婚するわけじゃないですよ。子どものために絶対に離婚だけはしない!いやいやだからそういうわけじゃないです。

今日は岩手へ行く二人を途中まで送ってきました。新幹線に乗ったshuuは終始ごきげんです。車内販売のアイスクリームを食べ、新幹線の中を探検し、そうこうしているあいだに乗り継ぎ駅の大宮へ到着。交通費節約のため、私はここで二人を見送ることになります。

それまでハイテンションだったshuuも、やっと事情が飲み込めたのか元気がありません。昨日のうちに買って、デイパックに隠し持っていたお菓子の袋を手渡してやると笑顔を見せましたが、二つ目の新幹線の中では少し泣いたようです。

さて、帰りの新幹線を降りた佐久平駅でのこと。混雑を避けるために階段を駆け上がると、改札口の脇に3人の親子が立っています。母親と女の子と男の子。たぶん、出張か何かから帰ってくる父親を迎えにきているのでしょう。

女の子はクラフト紙で作ったと思われる1mくらいの横長の紙を持っていて、男の子に「パパそろそろ来るよ!」などと言っています。横長の紙は二つ折りにされていたので、その内側がどうなっているのかは分かりませんが、たぶん、「パパ おかえり ♥」みたいなことが書いてあるのだと思います。

私は立ち止まることなく通り過ぎたので結末は分かりません。でも、照れながらも嬉しそうな彼らの父親の顔が目に浮かびました。いいねえ。なんか心温まるというか。

今は家族と離れて暮らしている私ですが、3人が家に戻ってきたら、あの女の子が持っていたような横断幕を作って歓迎してみようかな?などと思うのでした。