今日、初めて人間ドックというものを受けた。それまでは所属先企業が実施する健康診断を毎年受けていたのだが、このへんでキッチリ検査しておかないとそろそろヤバいんじゃないかという懸念から。とくに胃。
会社で受けていた健康診断の胃検診はバリウムとレントゲンによるもの。これでもオレにとってはキツい。バリウムを飲み干すことや体をグルグルされるのはどうということもないが、バリウムを排出するための下剤がキツい。もともと便秘体質なので、3日間くらいは軽い腹痛が続く。
今回の人間ドックでは年齢によるものだと思うが、胃カメラでの胃検診が指定されていた。胃カメラとバリウム。どちらが優れているかはオレでも分かる。が、だ。あの管を口が入れるのは正気の沙汰ではない。狂ってる。胃カメラを飲むくらいなら胃がんで死のう、くらい思っていた時期もあった。アーメン。
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同じ部署の同僚に、人間ドックで初めて胃カメラを飲むことを話すと、散々おどかされた。同僚が言うには、苦しすぎて口から入れることができなかったとか、体が勝手に暴れて羽交い締めにされたとか。オレもう死ぬじゃん。あー世界が終わればいいのに。
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今回の人間ドックでは、一般的な検査項目にピロリ菌の検査もトッピングした。ピロリ菌。名前はカワイイが、胃にピロリ菌がいると胃潰瘍とか胃がんのリスクが高くなるらしい。
心電図や採血などのライトな検査が終わり、次は胃カメラだと告げられる。死んだ。心が死ぬ。広いわりにひと気のない待合室に通される。長椅子に座ると、壁際のショーケースに数多の胃カメラが飾られているのに気が付く。なにアレ悪趣味。
ほかにも不自然な場所に水道とティッシュが設置されていて、検査の過酷さを予感させる。あーいますぐ世界が終わればいいのに。せめてこの病院全体が停電とかにならないかな。
小部屋に通され「胃カメラは初めてですか？」と聞かれる。「諦めちゃダメ」みたいな話をされて完全に追い込まれ感。オレ耐えられるのかな？痛いのはガマンできるけど苦しいのは苦手なんだよな。
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いよいよ検査室へ。歯医者でおなじみの苦い麻酔薬をノドに直接シュッシュされる。この時点でむせる。ニガー。しかもコレ、飲み込まなきゃいけない。
検査をしてくれる医師からも「初めてなんですって？」と。もう3回目だよそれ聞かれるの。なんなの？胃カメラ初めての人は死ぬこともあるの？っていうかもう死にたい。
診察台に体を横たえる。医師が手にする胃カメラは女性の小指くらいの太さに見える。いやーないわー。あんなの普通口から入れないでしょ？胃カメラ最初に考えたヤツ本当にもう。
じゃ、挿れるね。優しくしてね、ってウルサイよ。口の中がメチャクチャ違和感。カッタ！胃カメラカッタ！モニターで胃カメラが映す映像を見られるのでとりあえず見てみる。ベロ、ノド。ノドが意外とキレイ。バージンピンク。
ここで拒否反応。激しくむせる。体がビクンビクンしちゃう。うん、オレの体は正常。生存本能。あんなのが口から入ってきたら出そうとするのが普通。医師が言うのには、ノドを通るときが一番苦しいらしい。苦しくて涙が出る。うわー早く終わってくれー。
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胃カメラの先端がノドを通ってしまうと少しラク。喉元過ぎれば熱さを忘れる。違う。モニターを見てみる。自分の食道や胃の中を見るのは初めて。思ってたよりキレイで少し嬉しい。医師からも「ああキレイだ」と言われ頬を赤らめる（苦しくて）。
十二指腸まで見てもらって往路は終了。「すぐ終わるからね」と言われながら胃カメラを抜かれる。復路もカメラの先端がノドを通るときがキツい。胃カメラはノドから口へ。気持ち悪さ最高潮。オエっと吐いたのかと思うほどの胃液で口の中が満たされる。たぶん胃カメラに付着した胃液。オエー。
口の中のネバネバした何か（白濁はしていない）をティッシュに出してヨロヨロと体を起こした。「あいがとうごあいあしたー」と言いながら検査室を出る。お母さんゴメンね。今日から大人です。
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結論としては、今日の検査では悪いところはなにもなかった。胃や十二指腸に異常はないし、ピロリ菌もいなかった。血液検査の結果もまったく問題なし。指摘されたのは喫煙習慣と運動不足。あと肉を食え肉を。肉を食って筋肉付けとけ。そうだね、オレもそう思う。
胃カメラの苦しさも、想像の8割くらいの印象。バリウムよりは苦しいが、その苦しみが長く続かないのはいい点なのかも。検査精度というか、胃カメラでなにもなければ絶対になにもないという安心感もある。
今回の人間ドックの結果から、この先4年間は胃検診の必要はないというお墨付きもいただいた。でも、とりあえずは運動不足は解消したい。体力が落ちてるという実感が確かにある。
でもまあ、これで名実ともに大人になったかなと。あの苦しみを耐えてこそ大人、みたいな。未経験者にマウント取れる。あーそうだ。胃カメラでの胃検診後は、顔がグチャグチャになるのを覚悟したほうがいい。口からはもちろん、目から涙、鼻から鼻水も出る。帽子持参がオススメ。
そんな一日でした。
