ここ何年か、毎年のようにミリタリージャケットを購入しているのですが、今年もついウッカリ買ってしまいました。ヒューストンのB-15Dです。世間ではあまり馴染みのない型番ですが、何十年か前に一大ブームとなったMA-1の前モデルとなるフライトジャケット。正確にはこのB-15Dのあとに襟なしのB-15D MODという型番が存在し、そのあとのMA-1へと移行します。
襟の裏側にはフラップが付いていて、写真のように襟を立てた状態で閉じることができます。
フラップはこんな感じで襟の裏側に収納され、普段は見えません。芸が細かいですね。
ジッパーはIDEAL社製。アウターシェルとの色の差や、重厚な引き心地にウットリできます。
同じく左腕のAIR FORCEマークのプリント。50年代アメリカの手抜きっぽい雰囲気が見事に再現されています。
裏地の上部にもモノトーンのAIR FORCEマークが。
ハンドウォーマー(つまりポケット)の端に寄ってみました。フライトジャケットはすでに何着も購入していますが、ヒューストンの縫製が一番丁寧な気がします。
前立てにクローズアップ。本来、このように何枚も生地が重なる部分は縫いにくいのですが、このB-15Dの前立ての縫い目は他と同様キレイです。
酸素マスクのホースやコードを留めるためのクリップタブ。耳のような赤い糸が見えます。
リブは袖口、身頃の裾ともに薄手でよく伸びます。そのため、買ったばかりのフライトジャケットにありがちな、ジッパーを閉めたときのリブに締め付けられるような感覚がありません。
今回はLサイズ(サイズ40)を選びました。昨年、同じヒューストンのN-1デッキジャケットを購入したときに、他のアメリカンブランドよりも小さめのサイズで作ってあるように思えたのと、あまりキッチリではなく、インナーにパーカーでも合わせてダラダラした雰囲気で着たかったから。
実際に着てみた感じは私の希望どおりで、ジャストサイズのワンサイズ上といった感じ(172cm、55kgでLサイズの場合)。この手のフライトジャケットは現代のダウンジャケットなど比べると防寒性に乏しいので、寒がりの私としてはインナーに着こむことができそうでホッとしてます。
以前購入したMA-1は、袖の妙な太さがイヤで処分してしまったのですが、このB-15Dはそれほど袖が太くありません。これがB-15Dの本来のシルエットなのか、ヒューストンが現代的にアレンジしたのかは分かりませんが、ここも嬉しかったポイントです。
1点、モヤモヤするのが襟のムートン。ポケット裏のタグやショップの商品紹介にも「ムートン」と記述されていますが、毛の奥に布っぽい繊維が見えます。こだわるわけではないのですが、「リアルムートンを使用しているので洗濯にはご注意を…」とまで書かれているのを見ると、やっぱりモヤモヤしてしまいます。
身頃や袖の中綿は、MA-1よりも薄い、というか少ない感じがします。重さを測ったわけではないのですが、レプリカのMA-1を持ったときに感じるズッシリ感がありません。中綿の素材が違うのか、単純に入っている中綿の量が違うのかは分かりませんが、MA-1に比べると軽い着心地です。
全体的には、高価なレプリカのようなディティールではないけれど、普段着としては気軽に羽織れるアウターだと思います。それとタグの「MADE IN JAPAN」の表記が本当だとしたら、丁寧な縫製のクオリティもうなづけます。