広報の仕事

3月くらいだったか。会社の広報担当(オレ)にPR TIMESの営業さんから「PR TIMESを使ってみませんか?」という電話をもらった。

以前からPR TIMESの存在はなんとなく知っていた。この時期ちょうど、もっと効率よく会社のアレコレをPRできる手段はないかとボンヤリ考えていた。いつもなら「あー必要ないですう」で電話を切ってしまうオレが、珍しく話を聞いてみる気になった。

簡単に言うと、PR TIMESでプレスリリースを登録すると提携メディアにもそれが表示されるというものだった。またPR TIMES経由で記者や編集者にもそれが配信されるという。

調べてみると、県内の大手企業や当社の競合会社、地元自治体までもが利用しているサービスであることが分かった。あー、当社乗り遅れてるなー。

で、さっそく広告費用を握っている取締役にこのサービスを使ってみたい旨を相談した。プレスリリース1回の発行が税込み3万円。広告費用としては高くない絶妙な金額設定。取締役から「やってみればいいじゃん(それくらいの金額ならまあいいか)」という全力の後押し(オレ判断)を得たオレは、上司と社長にも「PR TIMES使います」宣言をした。

プレスリリース1回目のネタは二酸化炭素排出量削減の取り組みに決めた。悪くない。今どきなネタだ。脱炭素。新聞であれば社会面に掲載される話題だろう。そうだ、地元新聞にもこのネタを売り込もう。このときすでにそう決めていた。

ランチタイムの食堂で社内の電力関連の担当者を発見し、隣りに座ってさっそく打ち合わせの打診をした。異常な行動の速さ。

あらかじめプレスリリースの文章を考え(把握できていない具体的な数字は空欄にした)、初回の打ち合わせに持ち込んだ。

文章だけでなく、太陽光パネルの空撮写真もあれば見栄えがするだろうと、ドローン撮影を思いついた。タイミングよくドローンの撮影業者さんから営業の売り込みがあったので見積もりを出してもらった。

ちなみに撮影当日はメチャクチャいい天気だった。天気さえオレに味方している。太陽の高さ・向きを考慮して撮影する時間帯を決めた。地元にゆかりのある山も背景として収めることができ、写真単体としてもなかなかの出来だった。

他社の似たような内容のプレスリリースを参考にして、削減できる二酸化炭素をスギに換算すると◯万本の図版も制作した。

あらかじめ、地元新聞の社会部の記者さんに連絡を取った。空撮写真を手に入れ次第、プレスリリースを送ると伝えた。この時点では掲載されるかはまだ分からない。

空撮写真が出来上がった今月中旬。満を持してPR TIMESでプレスリリースを発行。

PR TIMESとは別ルートで、地元新聞の記者さんに空撮写真を含めた資料を送った。内容確認のための折返しの連絡をもらった。いい感触だ。興味を持ってもらえたらしい。

登録したプレスリリースは、20ほどの提携サイトに配信されていることが確認できた。提携サイトにはPR TIMES用のエリアがあり、自動的に表示される仕組みらしい。

地元新聞からは、週末の5/18(土)に掲載されるという連絡があった。嬉しい。準備にメチャクチャ時間かけたので努力が報われた感。

が、この話には続きがある。その後、日本経済新聞の記者さんから電話をもらった。「PR TIMES」のプレスリリースを見て連絡したとのこと。ザワザワ。頭の中がザワつく。日本経済新聞といえば、誰もがひれ伏す日本の経済新聞だ(そのまま)。

内容についてのいくつか確認と、写真もPR TIMESからダウンロードできるものを使わせてほしいということだった。掲載は日経デジタル版に5/17(金)、本誌は5/18(土)以降。

デジタル版は予定通り5/17(金)の19:00に掲載された。ヨシ。

地元新聞は我が家では購読していなかったので、あらかじめ同僚に頼んでおき、こちらも5/18(土)の朝に掲載確認ができた。嬉しい。

日経の本誌は、市立図書館の新聞コーナーへ行って記事掲載を確認した。実のところ、この日の紙面に載るかはまだ分からなかった。記事を見て小さく「ヨッシャ」と声が出た。控えめなガッツポーズも。図書館の帰りに日経を探してコンビニを回るが、夕方のためか売り切ればかり。3軒目でやっと見つけた。1部200円。

どちらの新聞もスペースとしてはわずかだが、広告と違い記事はこちらの意向で掲載させることはできない。記者の判断と、掲載するためのスペースが必要だ。そして、記事として成立させるための資料や画像の作成も重要。入念な準備に取り組んだ。

また、自分からPR TIMESの利用を提案し、自分でネタを決めて、当初の目標を達成できたことも嬉しい。言われた業務をこなすのではなく、自分から仕事を作る。そして全力を尽くして結果を出した。称賛に値する。これは冬季賞与の査定が楽しみだ。そう、オレはカネのために働いている。とくにオチなし。